
間隔が空いてしまいました。これから週一更新を目標にがんばります。
「半透明の建築」
敷地(fig.1)はこのまえと変わらずに六本松の護国神社横の木密です。65m×105mという面積の街区内に、100近い数の木造住宅がひしめきあっています。街区内には幅1mもない極細街路が6本通っているのみで、完全歩行者専用道路となています。(fig.2)
このような敷地では高密度が生むさまざまな弊害が生じます。
・光環境に関して 高密度につめこまれたこの街区内では、住戸間の間隔はほぼ0に近く、最大でも街路で隔てられた部分の1000mmしかありません。このような環境の中で、住戸内には十分な光が届かず、また、街区内の居住者の重要なコミュニケーションの場である(と考えられる)街路も、日中でも薄暗い場所となっています。(fig.3)
・住戸間の距離に関して 各住戸は4面を超接近した他の住戸に囲まれ、プライバシーがとれているとは言いにくい状態です。近すぎることが住戸間の関係を疎遠にしているともいえます。(fig.4)
敷地を見ていくうちに、このような問題を抱えるこの街区内では、あるルールがあるということがわかりました。
それは、住宅の開口部は全て、「すりガラス」「常に閉じられたカーテン」「網戸」という「半透明」のオブジェクトが使用されているということです。「光は通したいが、近すぎる周辺との距離をとりたい」という理由からこのようなルールが生じているように思います。(fig.5)(fig.6)しかし、これら住戸の姿は無理矢理周辺との周辺との距離を作っているように思えて、ある種の「閉塞感」が漂っています。
外界との境界面が全て「半透明」からなっているというこの敷地の住戸のルールを使って、全ての壁面が半透明の建築(fig.7)をつくることで、光環境の面での問題を解決するとともに、この敷地に住む人々の間に適切な距離感を生み出したいと考えています。
具体的な形はまだですが、壁が全て半透明になることで、これまでの建築のプランやセクションというのが成立しなくなるでしょう。その部分に、なにか、今までに見たことのない建築の形をつくる可能性があるのではないかと勝手に思っています。
以上です。